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《第16回》【トランプ関税で中古車輸出に異変!】約9割の事業者が影響を実感、国内販売への方針転換も進行中
関税と物流変動の波が経営判断を直撃…求められる中古車ビジネスの“柔軟性”
株式会社ハッピーカーズ(本社所在地:神奈川県鎌倉市、代表取締役:新佛 千治)は、中古車輸出に関わる事業者を対象に、「トランプ関税がもたらす中古車輸出への影響と国内販売への意識変化」に関する実態調査を実施しました。
トランプ関税が再び取り沙汰される中、中古車輸出ビジネスの現場では何らかの変化が起き始めているのかもしれません。
北米をはじめとした仕向地に対する関税措置への警戒感が高まる一方で、影響の実感やその程度にはばらつきがある可能性も考えられます。
また、関税リスクをきっかけに、国内販売への意識変化や事業戦略の見直しを進めている事業者も出てきているのかもしれません。
実際、現場ではどのような課題が生じており、また、事業者は今後どのような対応を模索しようとしているのでしょうか。
そこで今回、車買取り専門店の株式会社ハッピーカーズ(https://happycars.jp/)は、中古車輸出に関わる事業者を対象に、「トランプ関税がもたらす中古車輸出への影響と国内販売への意識変化」に関する実態調査を実施しました。
調査概要:「トランプ関税がもたらす中古車輸出への影響と国内販売への意識変化」に関する調査
【調査期間】2025年8月14日(木)~2025年8月17日(日)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】219人
【調査対象】調査回答時に中古車輸出に関わる事業者と回答したモニター
【調査元】株式会社ハッピーカーズ(https://happycars.jp/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
このままでは危ない?影響を感じている輸出先は「北米」が最多

はじめに、「トランプ関税の影響を感じているか」について尋ねたところ、約9割が『非常に強く感じている(41.1%)』『ある程度感じている(49.3%)』と回答しました。
大多数が何らかの影響を実感しているという結果は、関税政策の変化が広範かつ深刻に影響していることを示しています。
特に、『非常に強く感じている』が4割以上であることから、単なる懸念にとどまらず、実務上の問題として直面している可能性が高いといえます。
では、トランプ関税やそれに伴う世界的な価格変動・物流コスト上昇といった影響を感じている輸出先はどこなのでしょうか。
前の質問で『非常に強く感じている』『ある程度感じている』と回答した方に、「トランプ関税やそれに伴う世界的な価格変動・物流コスト上昇などについて、影響を感じている輸出先はどこか」と尋ねたところ、『北米(関税率の上昇により価格競争力が低下した)(58.1%)』が最も多く、『アジア(物流網の逼迫や燃料コスト上昇など、米国発の経済変動の波及により納期遅延やコスト増が生じている)(43.9%)』『アフリカ(米国の関税政策に伴う世界的な価格変動の影響で、再販価格が下がり購買力が低下している)(41.4%)』となりました。
「北米」への依存度が高い事業者が多いため、関税率上昇による価格競争力の低下は、他の地域と比較してもより直接的な影響を及ぼしているようです。
また、「アジア」や「アフリカ」などでも物流網や再販価格への波及的影響が確認され、トランプ関税のインパクトが世界的な規模であることがうかがえます。
では、実際に取引が多い地域はどこなのでしょうか。
「現在、最も取引が多い仕向地(輸出先)」について尋ねたところ、『北米(例:アメリカ、カナダ)(39.3%)』が最多で、『アジア(例:バングラデシュ、ミャンマー、スリランカなど)(37.0%)』『中東(例:UAE、サウジアラビア、ヨルダンなど)(16.0%)』となりました。
輸出先の中心は「北米」と「アジア」に集中しており、この2つの地域が業界全体の輸出構造を支えているといえるでしょう。
関税の影響が大きい「北米」と、物流変動の大きい「アジア」の2つを抱えていることで、リスク分散がしづらい状態にあるのかもしれません。
現場はすでに動いている。物流・在庫・価格、1番困っているのは?

そのような背景から、業務における課題はどこに集中しているのでしょうか。
「現在、業務上最も困っている点」について尋ねたところ、『価格設定の難しさ(43.4%)』が最も多く、『為替変動の影響(21.9%)』『在庫の回転率の悪化(21.5%)』となりました。
「価格設定の難しさ」が最多となった背景には、関税や為替、物流コストの多重的な変動があり、利益を確保しながら市場競争に対応するハードルが高くなっていると考えられます。
また、「為替」や「在庫」に関する回答も一定数見られ、複合的なコスト構造に苦慮している実態が浮かび上がりました。
その中でも、在庫の回転率に関してどのような課題を感じているのでしょうか。
「現在の在庫の回転率について、どのような課題を感じているか」について尋ねたところ、『回転率が落ちて保管スペースに余裕がない/コスト増(45.2%)』が最多で、『回転率が落ちて資金繰りが悪化している(38.8%)』『数値としては回転率を維持しているが、販売時期のズレや需給の見通しに課題があると感じている(31.5%)』となりました。
回転率の低下により、物理的な保管の困難と資金繰りの悪化が顕在化しています。
これは、中長期の需給見通しが不安定なことによる販売計画の不透明さにもつながっており、仕入れ計画や在庫管理体制の再構築が求められていることがうかがえます。
では、不安定な輸出を前提に、どのような対策が検討されているのでしょうか。
「輸出が不安定化した場合のリスクヘッジとして有効だと思う手段」について尋ねたところ、『販売エリアの分散(44.8%)』が最多で、『仕入れ価格の調整交渉(39.7%)』『国内販売へのシフト(34.3%)』となりました。
特定市場への依存を避ける「分散」戦略が有効と考えられており、また、コスト交渉や国内シフトなど、柔軟な対応策が模索されていることがわかりました。
国内販売への方針転換と今後の展望、変わる販路、変える戦略。「国内回帰」はアリか?

実際に、輸出偏重からのシフトはどの程度進んでいるのでしょうか。
「トランプ関税の影響を受けて、国内販売強化への方針転換を検討しているか」と尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。
『すでに国内販売へシフトしている(16.9%)』
『検討を始めている(58.5%)』
『検討していないが関心はある(17.8%)』
『今のところは全く考えていない(6.8%)』
約8割が国内販売に前向きであるという結果は、輸出ビジネスの変調に対する現場の危機感のあらわれといえます。
しかしながら、『すでに国内販売へシフトしている』との回答も一定数見られたことから、対応のスピード感には差があるようです。
そのような中、中古車の輸出と国内販売のバランスは今後どうなると考えているのでしょうか。
「今後、中古車の輸出と国内販売のバランスはどうなると思うか」と尋ねたところ、以下のような回答結果になりました。
『国内販売が主軸になる(44.3%)』
『輸出が主軸だが国内販売も始めると思う(47.5%)』
『半々くらいにシフトすると思う(8.2%)』
『国内販売が主軸になる』と回答した方が約4割いますが、完全な国内シフトではなく、あくまで輸出と国内の「ハイブリッド運用」が現実的な戦略として見られているようです。
これは輸出に一定の魅力や優位性が残る一方で、国内市場の安定性も重視していることを示していますが、輸出継続に向けて、どのような手段を考えているのでしょうか。
「今後、輸出ビジネスの維持・拡大に向けて検討している対応策」について尋ねたところ、『新たな販路の開拓(42.5%)』が最多で、『既存仕向地での深堀り(38.8%)』『為替ヘッジ導入(37.4%)』となりました。
外部環境の変化に耐えるためには、「販路拡大」と「コスト変動への備え」が両輪となって機能する必要があると考える方が多いようです。
為替や関税の影響が長期化する場合には、仕入れや販売の最適化が今後の生存戦略の中核になると考えられます。
国内市場で勝つために、注目すべき次の一手とは?
最後に、今後の国内販売において注目しているポイントについてうかがいました。

「今後の国内販売において注目しているポイント」について尋ねたところ、『中古車価格の適正化(48.4%)』が最多で、『フランチャイズなどのスケール型販売モデル(37.9%)』『資金繰り・在庫回転の改善(33.3%)』となりました。
価格競争力の確保は国内市場でも重要課題である一方、効率的な販売網の構築や在庫管理手法の工夫にも関心が集まっています。
今後は、大規模展開と地域密着のバランスをどうとるかが戦略的な分岐点となるかもしれません。
まとめ:輸出依存からの脱却と国内戦略の模索が進む中古車ビジネスの現状が明らかに
今回の調査で、トランプ関税をはじめとする外的変化に対する中古車輸出業界の危機意識が非常に高いことが明らかになりました。
約9割の事業者がトランプ関税による影響を感じており、「北米」への輸出において価格競争力の低下や物流コストの上昇が顕著にあらわれています。
この影響は、一地域の問題にとどまらず、「アジア」や「アフリカ」などにも波及しており、輸出全体の安定性が揺らいでいる状況がうかがえます。
こうした外的変動の中で、事業者が業務上最も困難を感じているのは「価格設定の難しさ」で、在庫の回転率について「保管スペースに余裕がない」や「資金繰りの悪化」といった問題も深刻化しているようです。
その結果として、約6割の事業者が国内販売への方針転換を検討しており、すでに国内販売へシフトしているケースも約2割見られました。
今後の販売バランスについても、「輸出が主軸だが国内販売も始める」「国内販売が主軸になる」といった回答が多数を占めており、輸出偏重からの脱却を図る動きが明確になっています。
一方で、輸出ビジネス自体を完全に放棄するのではなく、「新たな販路の開拓」や「既存仕向地での深堀り」「為替ヘッジの導入」など、多面的な対応が検討されていることもわかりました。
さらに、国内販売においては「価格の適正化」に加え、「スケール型販売モデル」や「資金繰り・在庫回転の改善」といったことが注目されており、これまでの輸出モデルとは異なる新たな視点が求められています。
この結果から、中古車業界が外的リスクを受け入れながらも、それに対応する柔軟な戦略転換期に差しかかっているといえるのではないでしょうか。